2025年10月22日のあさイチ「大人のひとり暮らし 防犯・住まい・必需品…皆どうしてる」のゲスト、イラストレーターの田村セツコさん（87歳）は、昭和から令和にかけて「かわいい文化」を体現してきた“永遠の少女”。
その一方で、結婚せず、長年にわたり家族の介護を担い、今も自宅で一人暮らしを楽しむ生き方が注目を集めています。
ここでは、田村さんの結婚観や家族との関係、介護経験、自宅での暮らし方を通して、「おひとり様でも幸せに生きる」ヒントを探っていきます。
田村セツコさんは結婚してる？
まず多くの人が気になるのが、「田村セツコさんは結婚しているの？」という疑問です。
答えは未婚。田村さんは生涯独身を貫いています。
若い頃の写真を見ると、そのキュートな笑顔やファッションセンスから「とてもモテたに違いない」と言われています。
しかし著書『孤独ぎらいのひとり好き』の中で、本人はこう振り返っています。
「若くて元気でかわいかったころの方が、むしろ孤独だった気がする。」
若い頃は人の目が気になり、認められたい気持ちが強かった。
けれど年齢を重ね、経験を積んだ今は「他人に媚びず、期待せず、甘えない」ことで心が穏やかになったと語っています。
この言葉には、“孤独”を恐れるのではなく、自分を大切にして生きる強さが込められています。
田村セツコさんのプロフィールと経歴
1938年、東京府東京市目黒区（現在の東京都目黒区）生まれ。
東京都立八潮高等学校を卒業後、安田信託銀行に勤務しながら、漫画家松本かつぢ氏に弟子入りします。
1956年、「女学生の友」への投稿をきっかけにイラストレーターとしてデビュー。
1960年代には「りぼん」「なかよし」でおしゃれページを担当し、
1970年代以降はサンリオとともに“セツコグッズ”と呼ばれるキャラクター商品を多数発表。
『いちご新聞』の連載は創刊（1975年）から現在まで続くという偉業を持ちます。
現在も精力的に個展や著書を発表し、2023年には『85歳のひとり暮らし ありあわせがたのしい工夫生活』を出版。
今も多くの女性たちに「年齢を重ねてもかわいく生きる」勇気を与えています。
華やかな創作の裏では、家庭を支え、妹や弟を見守る長女としての責任感がありました。
後年、母と妹を介護することになるのも、この家族への深い愛情が根底にあったからでしょう。
田村セツコさんの家族と介護エピソード
華やかな“かわいい文化の象徴”というイメージの裏で、田村さんは68歳の頃から6年間、母と妹の介護を続けました。
母が転倒した際、病院を拒否し「自宅で過ごしたい」と願ったことから、介護生活が始まります。
父を病院で亡くした経験から、「私は家で最期を迎えたい」という母の意志を尊重し、田村さんはこう決意しました。
「OK、じゃあ私が介護をするわ。」
介護中、地域の福祉サービスにも支えられ、週2回ヘルパーさんが訪問。
田村さんはその関わり方に感謝し、
「身内じゃない人が来ると、母が少し“よそゆきの顔”をするのがかわいらしかった」
と語っています。
その“ほどよい他人の距離感”が、心を保ちながら介護を続ける秘訣になったといいます。
田村セツコさんの自宅・おひとりさま暮らし
介護を終えた今、田村セツコさんは東京の自宅でひとり暮らしを続けています。
2023年に出版した著書『85歳のひとり暮らし ありあわせがたのしい工夫生活』では、
「ひとり暮らし＝孤独」ではなく、「ひとりだからこそ自由で楽しい」と語っています。
自宅にはお気に入りの雑貨や昔のスケッチが並び、まるで“絵本の中の部屋”のよう。
「ありあわせのもので暮らす」「身の丈に合った生活を楽しむ」ことが、彼女流の幸せの形です。
「孤独はかわいがると味方になる」
この一言に、彼女の人生哲学が凝縮されています。
田村セツコさんの【現在】“かわいい”を描き続ける「永遠の少女」
87歳になった今も、田村さんは現役のイラストレーターとして活動中。
1975年から続く『いちご新聞』のエッセイ連載も健在です。
さらに個展も全国で開催し、若い世代から“レトロかわいいの原点”として再評価されています。
かつて彼女が描いた「少女」は、いまや多くの人にとって自分らしく生きる象徴。
結婚や家族の形に縛られず、好きなことを追い続ける姿こそが、田村セツコさんの“おひとり様の幸福論”なのです。
まとめ
田村セツコさんの生き方は、
「孤独＝寂しい」ではなく「孤独＝自由で創造的」という価値観を教えてくれます。
結婚せず、介護を経て、今も自宅で暮らす彼女の姿は、
「誰かと比べず、ありのままの自分を楽しむ」ことの大切さを静かに語っています。
「年齢を重ねても、かわいい心を忘れなければ、人生はずっと楽しい。」
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